2013年7月6日土曜日

呼吸と姿勢の関係

二週間にわたってボディチャンスで呼吸のクラスを受けて、自分でも呼吸について考える時間があったので、学んだものを少しずつまとめていこうと思います。

今回は呼吸と姿勢の関わりについて。


まず、呼吸をするとき、体はどんな動きをするのでしょうか。
僕自身まだ理解が深まっていないので簡潔に書きますが、
『息を吸うときは、胸郭が(上や外方向)に広がり、横隔膜が下にさがることで、肺のスペースが広くなり、肺の中の気圧が外気圧よりも低くなるから空気が入ってきます。』
『息を吐くときは、上の動きをやめれば肺の中の気圧が、外気圧より高くなり空気は出て行きます。』

・胸郭は胸椎と肋骨と胸骨によって肺と心臓を囲むカゴのような形をしていますが、肋骨と胸椎(背骨)の付け根には間接があって、肋骨と胸骨がくっついてる部分は軟骨になっているので、胸郭が動くことは可能です。胸部筋群がこの動きをサポートしています。

・横隔膜は、肺・心臓と、他の臓器を上下に分けるように、胸郭内部にドーム状に存在します。
吸う時はこの横隔膜が水平になり内臓が下方向に押し下げられ、吐くときには横隔膜がもとのドーム状へ戻ります。管楽器奏者が息を吐くときには特に腹筋や骨盤底筋群のサポートで、内臓を押し上げるので、空気を送り出す圧力が増加します。


つまり、呼吸は体全体で行っている動きなんですね!
今まで知識として少しは知っていたし、昔からお腹を意識してと指導されてきてはいましたが、
やっぱり息を吸う、吐くってなると、なんか口・鼻や喉、気管あたりで「吸い込む」「吐き出す」って
イメージを持っていました・・・


「口・鼻はただの穴。喉や気管はただの管」なんだそうです。
頑張ったって息を吸ったり吐いたりする動きはしてくれません。
もちろん息の通り道なので、感じることはできますが。

上に書いた通り、体全部が動くから空気が入ってきて、体全部が動くから空気が出て行くわけです。
だから姿勢と呼吸は関わっているんですね。



では、演奏するときの姿勢が呼吸にどう影響しているのか。

例えば演奏するとき、上半身が後ろへ反り返っている。
自分を含めてですが、よくこういう姿勢で演奏する人を見かけます。


人の頭はおおよそ5kgも重さがあり、その頭を背骨の一番上に乗せて生活しています!!
頭が背骨の上でバランスよく乗っていればいいのですが、バランスが悪いと脊椎と体全体に下向きのプレッシャーをかなり与えます。
上半身が後ろに反り返っていると、頭は背骨の上にバランスよく乗っていられるのは難しいですね。実際やってみると演奏してなくてもかなり辛くて呼吸もしにくいです。
全身に力が入って体が固まってしまいます。
なぜなら、とっても危険な状態だからです!もし上半身が後ろに反った状態で全身の力を抜いてしまえばたちまち倒れて頭を打ってしまいますね。
体は自分を守るために、傾いた頭を支えるために頑張らざるをえないわけです。

ということは、楽器を演奏するときは体全部・とくに胴体には呼吸のサポートをしてほしいのにその筋肉たちは体を支えるためにエネルギーを使うことになり、呼吸の仕事ができないわけです。

そんな状態のまま呼吸を深くしたり、脱力しようとしたりしても、体には倒れないために頑張る必要があるので、できないんですね。


また、頭が前に下がってしまう場合も、同様に下向きのプレッシャーをかけてしまい胸郭の動きが抑えられてしまい呼吸しにくいです。また腕には楽器の重さ+頭の重さ5kgがのしかかってしまうのでかなり辛いです。


以上のように姿勢、とくに頭のバランスが、呼吸に与える「良くない影響」について考えてみました。
でも、反対に頭が背骨の上でバランスよく乗り続けてくれれば、体は演奏するためにその能力を発揮できるようになります・・・!
そんなことを考えるとなんだかワクワクしてきますね!!

今日整理できたのはここまでで、また次回に続きます。







森岡 尚之 / モリオカ ナオユキ トロンボーン&金管トレーナー/アレクサンダーテクニーク教師養成コース在籍
プロフィール
アレクサンダーテクニークとの出会い

レッスンのご依頼について