2017年7月11日火曜日

生徒の探究心と立ち会うために

ブログ「健やかにトロンボーンを吹く」
管理人の森岡です。
ブログをお読み頂き
ありがとうございます。
 
 

5月から告知をしておりました、
アレクサンダーテクニーク教師
になるための実習レッスン。
先日お一人目が10回の
レッスンを終えられました。

今日はそのレッスンの中での話。

レッスンの場で、自分自身が
磨かれる経験をしました。



 
 
 
いきなりですが皆さんにとって
レッスンとは、どんな場ですか?

色々な考えがあると思います。
今回の実習レッスンでは、
「生徒さんの探求に立ち会う場」

そんな印象を持ちました。


 
 
生徒さんの探究

レッスンで取り組みたい
テーマはどんなことかを尋ねると
こんな話がでてきました。

「スライドのポジションが変わると
音色も変わる。これについて
ずっと前から考えていたんです。」

 
 
彼の演奏する楽器は
トロンボーンです。

 
 
専門的にトロンボーンを
学んでおられて
演奏技術は確かに
訓練されています。
 
僕は彼の
演奏を聞いたとき、
そのポジションによる
音色の変化に何も
気がつきませんでした。


また僕は同じトロンボーン奏者
であるため、許容範囲を含め
トロンボーンの演奏はそういうもの
だという思い込みがあったのだ
と思います。
(トロンボーン奏者であれば、
例えばFの音が1Pos.で出したのか
それとも6pos.で出したのか
聞いていてわかることがあるように)

 
 
彼自身も、その違いが
ほんの微細なもので
誰かが気に留めるほどの
ことではないことも
承知していました。

これまでに誰かに
指摘されのでもなく、
それを改善するべき問題として
扱っているのでもなく、
彼自身のただただ
純粋な好奇心という感じでした。


 
 
レッスンをするという決断

上に書いたように僕には
最初彼の話す
音の違いそのものが
わかりませんでした。
 
 
「自分には教えられない」
「トロンボーン奏者として
アドバイスをする自信がない」
そんな考えがよぎりました。

でもその考えを持ち続けて
レッスンを進める上で役に立つの?
その考えから生徒さんは
何かを学べるの?
そう思うと、今考えるべきこと
ではないとわかります。

改めて自分が教えられるか
どうかという心配から
彼自身の探究心と
学ぶ力に目を向け
レッスンをすることを決めました。


 
 
レッスンで求められたこと

それは、自分の使い古した
アイデアの引き出しをまさぐる
ことではなく、
今起こっていることを
観察し情報を集めることでした。
彼にお願いして
もう一度演奏してもらいました。

 
そうして情報を集めて
気づいたことは、
一言に表現した「音」の中にも
発音、音程、長さ、響き、
と多様なの要素があること。
そして発音と響きに関して、
1~4pos.間と5~6pos.間とで
微妙だけれど僕にも
違いが聞こえたこと。


 
それからもう一つ、
近いポジションで演奏する時と
と遠いポジションで演奏する時で
身体の動きの質に違いがあったこと。
(もすこしはっきり言えば、
全身の雰囲気が変わった)
(もっとはっきり言えば、
頭と脊椎の動きに変化があった)


そこでポジションによる
音の違いについて、
楽器の管の長さによる影響
専門の知識がないため
わからないと伝えた上で、
身体の動きの質に違い
があったことを話しました。


 
 
生徒さんの探究に立ち会うこと

観察で得た情報から、
動きの質に影響していた
いくつかの動作について
新しい提案をした結果、
より均一な音に近づいていったようでした。

僕にも動きの違いと
音の変化がわかりました。
 
レッスンを進める中で、
自分がトロンボーンの
演奏をいかに習慣的に
見て聞いているのか
何度も気づかされました。
トロンボーンを演奏するという行為にある
数多くの手順と可能性に着目できたのは
大きな発見でした。

 
 
生徒さんの探究心
に立ち会うためには、
教師はそれ以上の
探究心をその場で
持つ必要がある
のかもしれません。


今回のレッスンは
ぼくにとってもたくさんの
集中を必要とするものでした。
文章にしている今でも
ハラハラするような緊張感が
残っています笑

前回のハエたたきブログ
とはテンションがえらい違いです笑






 
森岡尚之 / プロフィール

現在、アレクサンダーテクニーク教師
になるための実習レッスン中


【レッスン情報】
・心斎橋 MIKIミュージックサロン
・茨木市 アイディア音楽教室 
にてアレクサンダーテクニーク講師
としてグループレッスンを行っています。

8月5日~8日は、滋賀県で行われる
トロンボーン合宿2017に講師として参加します。
トロンボーン合宿2017
※どの楽器でも参加可能!


個人レッスン、グループレッスン、
吹奏楽部・楽団等のレッスン
ブログ記事へのお問い合わせは
下記メールアドレスにお問い合わせください。

 naoyuki.trombone@gmail.com(森岡宛)






画像は本文と関係ありません。。